マイクロプラスチックって、
そもそも何だろう?
ビーチクリーンに参加すると、必ず耳にする言葉。名前は知っていても、「で、何が問題なの?」と聞かれると、意外と答えづらいものです。今日はその基本を、できるだけやさしく整理してみます。
5mm以下の、小さなプラスチック
マイクロプラスチックとは、一般に5mm以下の小さなプラスチックごみのことを指します。
砂浜でよく見つかるのは、ペットボトルやレジ袋、発泡スチロール、漁具などが、波や紫外線で少しずつ砕けて小さくなったもの。専門的には「二次マイクロプラスチック」と呼ばれます。一方で、洗顔料のスクラブ剤など、もともと小さい粒として作られたものは「一次マイクロプラスチック」と呼ばれます。
実際に砂浜でしゃがみ込んでみると、驚くことがあります。遠目にはきれいに見える砂の上に、青や赤や黄色の小さなかけらが、びっくりするほどたくさん紛れているのです。木片や貝殻と見分けがつかないくらい、風景に溶け込んでいます。
なぜ、問題なのでしょう
理由は大きく3つあります。
1. 自然に還らない
プラスチックは、紙や木のように微生物に分解されることがほとんどありません。細かく砕けて目に見えなくなっても、「無くなった」わけではなく、小さなかけらとして海の中に残り続けます。
2. 生きものが食べてしまう
小さな破片は、魚や海鳥がエサと間違えて口にしてしまうことがあります。プランクトンのような小さな生きものから、それを食べる魚、さらに大きな魚へ——食物連鎖を通じて影響が広がることが懸念されています。
3. 一度散らばると、回収がとても難しい
これが、個人的にいちばん厄介だと感じる点です。ペットボトル1本なら拾うのは簡単ですが、それが千個のかけらになってしまったら、同じ場所にあっても回収の手間はまったく違います。小さくなればなるほど、取り除くのは難しくなる。だからこそ、砕けてしまう前に拾うことに意味があります。
世界では、どれくらいの量が?
国連環境計画(UNEP)などの報告では、毎年およそ800万トンものプラスチックごみが海に流れ出していると推計されています。これは、ごみ収集車1台分が毎分1台、海に捨てられているようなイメージだと言われることもあります。
また、2016年に世界経済フォーラムで発表された報告では、このままのペースが続けば2050年には海洋プラスチックの重量が魚の重量を上回るという予測も示されました。
ただ、こうした数字は推計であり、研究によって幅があります。大切なのは「正確に何トンか」よりも、私たちの想像を超える量が、いま海に流れ込んでいるという事実のほうかもしれません。
海のゴミの多くは、街から流れてくる
意外に思われるかもしれませんが、海に漂うごみの多くは、海で捨てられたものではありません。街で捨てられたごみが、風で飛ばされ、雨で側溝に流れ込み、川を下って海へ出ていく——そういう経路をたどるものが相当な割合を占めると言われています。
つまり海のない地域に住んでいても、海の問題と無関係ではないということです。EGAOが海辺だけでなく、公園や街なかでのクリーン活動も行っているのは、こうした理由からです。
今日からできる、小さなこと
- 使い捨てプラスチックを、できる範囲で減らす。マイボトルやマイバッグは、いちばん手軽な一歩です
- ごみを正しく出す。風で飛びやすい軽いプラスチックは、袋をしっかり閉じるだけでも流出を減らせます
- 街で落ちているごみを、気づいたときに拾う。海に出てしまう前なら、ずっと簡単に回収できます
- 知ったことを、誰かに話してみる。これがいちばん効果が大きいかもしれません
完璧じゃなくて、いい
環境のことを考え始めると、「あれもダメ、これもダメ」と息苦しくなってしまうことがあります。でも、プラスチックは医療や食品保存など、私たちの暮らしを支えている素材でもあります。すべてをゼロにすることが答えではありません。
できることから、無理のない範囲で。そして、ひとりで抱え込まずに、誰かと一緒に。EGAOが「拾う」だけでなく「学ぶ」「交流する」を大切にしているのは、そのほうが楽しく、長く続けられると思っているからです。
次のビーチクリーンで、一緒に海辺を歩きませんか。しゃがんで砂を眺めてみると、世界の見え方が少し変わるかもしれません。
[主な参考資料]国連環境計画(UNEP)による海洋プラスチックに関する報告、世界経済フォーラム/エレン・マッカーサー財団「The New Plastics Economy」(2016年)、環境省「海洋ごみとマイクロプラスチック」関連資料。数値はいずれも推計値であり、調査方法により幅があります。
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