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2026.10.20

拾ったゴミが、
アクセサリーに生まれ変わるまで

ビーチクリーンで集めたマイクロプラスチック。そのまま捨ててしまえば、ただのゴミです。でも、見方を変えると——青や緑の小さなかけらは、海の色をそのまま閉じ込めたような、不思議な美しさを持っています。

アップサイクルという考え方

アップサイクルとは、不要になったものに新しい価値を加えて、元よりも価値の高いものへ生まれ変わらせることです。

よく似た言葉に「リサイクル」がありますが、少し意味が違います。

たとえば、着られなくなったシャツをエコバッグに仕立て直すのがアップサイクル。溶かして繊維に戻すのがリサイクル、と考えると分かりやすいかもしれません。

海のかけらが、持ち歩けるものになる

EGAOでは、ビーチクリーンで集めたマイクロプラスチックを、デザイン工房に送り、アクセサリーへと生まれ変わらせる取り組みを行っています。

砂浜で見つかるかけらは、ひとつひとつ色も形も違います。長いあいだ波に揉まれて角が取れ、表面がすりガラスのように曇っているものもある。それを樹脂に閉じ込めると、海の断面をそのまま切り取ったような、青と白が溶け合う模様が現れます。

同じものは、ふたつとできません。そこが面白いところです。

かたちが残ると、話が続く

アップサイクルの価値は、ものが再利用されること自体だけではないと思っています。

イベントに参加して、「海にはこんなにゴミがあるんだ」と驚いた。その気持ちは、残念ながら日常に戻ると薄れていきます。人間は忘れる生きものです。

でも、手元にかたちが残っていたらどうでしょう。身につけたアクセサリーを誰かに褒められて、「これ、実は海で拾ったプラスチックなんです」と話す。その瞬間、体験は自分の中だけで終わらず、相手に手渡されます。

ものが、会話のきっかけになる。これは、どんなに立派なパンフレットよりも強いのではないかと感じています。

お子さんと楽しめるワークショップも

アクセサリーづくりのほかにも、拾ったかけらを写真立ての飾りにしたり、万華鏡の材料にしたりといったワークショップを行うことがあります。

お子さんにとっては、拾う作業そのものが宝探しのようなもの。そして、拾ったものが目に見えるかたちに変わると、「自分がやったこと」の手応えが残ります。環境の話を言葉で説明するより、この体験のほうがずっと深く届くように思います。

とはいえ、万能ではありません

正直に書いておくと、アップサイクルで海のゴミ問題が解決するわけではありません。

海に流れ出すプラスチックは年間およそ800万トンと推計されています。手作業で拾い、アクセサリーにできる量は、その前ではごくわずかです。アップサイクルを「これで解決」と捉えてしまうと、むしろ問題を見誤ります。

いちばん効くのは、やはりそもそも流出させないこと。使い捨てを減らし、ごみを正しく出し、街で拾う。地味ですが、これに勝るものはありません。

そのうえで、アップサイクルには別の役割があると考えています。関心のない人に、入り口を用意すること。環境問題の話は聞いてくれなくても、きれいなアクセサリーには目を留めてくれる人がいます。そこから「実はこれ、海のゴミで」と話が始まる。この入り口は、決して小さくありません。

捨てる前に、ひと呼吸

アップサイクルの考え方は、特別な工房がなくても、暮らしの中で使えます。

空き瓶を花瓶に。着なくなった服を掃除用の布に。お菓子の缶を小物入れに。昔から多くの家庭でやってきたことです。目新しい横文字がついただけで、やっていること自体はずっと身近なものでした。

「捨てる前に、これは何かに使えないかな」とひと呼吸おいてみる。それだけで、ゴミになるはずだったものが、もう少し長く役目を持てるかもしれません。

海辺で拾ったひとつのかけらが、誰かの胸元で光っている。そんな小さな循環が、あちこちで起きたらいいなと思っています。

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